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2017年1月1日

 

事業投資のマネジメントシステムの構築について~ACS便りNo.3

 
 
株式会社ACSの淡路です。  
新年あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 
 
『ACS便りNo.3(2017/1/1発行)』を送付します。
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私は、昨年2月に体調を崩して入院し、6月には 前職を退任して7月には新会社を立ち上げるといった慌しい一年でした。 おかげさまで現在、体調は万全です。

病気になって以来、以下の「長生きするための八つの健康習慣」を常に意識するようになりました。これは生活習慣のチェックリストなので皆様も是非やってみてください。 該当するものが三つ以下の場合は不健康で改善が必要とのことです。

       1.毎日朝食を食べる

       2.毎日平均7~8時間寝る

       3.栄養バランスを考えて食事をする

       4.喫煙をしない

       5.身体運動・スポーツを定期的に行う

       6.過度の飲食をしない

       7.毎日平均9時間以内の労働にとどめる

       8.自覚しているストレスが少ない

 

また、昨年読んだ本の中で感銘を受けたり、仕事や生活に役立つと思えるものを紹介しますので、皆様の書籍選びの参考にしていただければと思います。

       ・「トヨタの失敗学」:(株)OJTソリューション著、KADOKAWA

    ・「陸王」: 池井戸潤著、講談社

    ・「ザ・会社改造」: 三枝匡著、日本経済新聞出版社

    ・「キリンビール高知支店の軌跡」田村潤著、講談社+α新書

    ・「シャープ崩壊」: 日本経済新聞社著、 日本経済新聞出版社

    ・「終わった人」:内館牧子著、講談社

    ・「残業ゼロがすべてを解決する」:小山昇著、ダイヤモンド社

    ・「図解 株式上場のしくみ」: 大崎慎一/増田孝夫、東洋経済新報社

    ・「M&A実務のプロセスとポイント」: 大原達朗他著、中央経済社

    ・「やってはいけないウォーキング」: 青栁幸利著、SB新書

    ・「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」: 小澤竹俊著、アスコム

    ・「コーヒーが冷めないうちに」: 川口俊和著、サンマーク出版

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今回は、株式会社ACSの『事業投資のマネジメントシステムの構築』というコンサルティングテーマについて紹介します。

 

企業経営には次のふたつの活動があります。 

  1.事業環境の変化に応じ、どうやって既存事業のビジネスモデル(誰に、何を、どうやって作り、

    どうやって売るか)をマイナーチェンジして事業業績を維持・拡大するか。

  2.既存事業で稼いだキャッシュを成長分野の新規事業に投資して企業の長期の成長を確保するか。

事業投資は上記の2.の活動であり、コーポレートガバナンスコードで求められるROEの向上を実現するための手段です。そのため、中長期的に成長分野で行うM&Aの投資枠を設定する上場企業が相次いでいます。また、日本企業による海外企業のM&Aは2016年度上半期で約300件と過去最高を更新し、医療関連で日本企業が絡んだM&Aの件数も2016年に過去最高となりました。

 

しかしながら、(1)投資して始めた新規事業が計画どおりにいかず、追加投資を行って深みにはまり、投資回収の目途が立たない(2)買収対象企業の精査が十分でない(3)PMI(買収後の統合作業)が不十分で想定した相乗効果が生まれない 等の要因により、多額の減損損失等を計上する会社が後を絶たないのも事実です。

最近の例では、東芝が米国の原子力発電事業における子会社の買収案件を、「リスクを上回るメリットがある」と判断して投資を行った後に、想定を超えるコストの膨らみで企業価値を切り下げて数千億円規模の減損損失を計上する可能性が生じ、その損失額次第では債務超過に陥るリスクを回避するための資本増強が急務になっているとの報道がありました。この問題に株式市場は敏感に反応し、東芝の株価は3日続落して8,000億円近くの時価総額を失いました。(日本経済新聞2016年12/28、12/29、12/30)

 

事業投資の成功率は決して高くはありませんが、だからといってリスクを取らずに何もしなければ企業の将来の成長は望むべくもありません。

そこで必要になるのが、事業投資を社内でマネジメントする仕組みの構築です。ACSが考える事業投資マネジメントシステムは、「事業投資の基本方針」、「投資案件全体管理」、「投資案件個別管理」で構成されています。以下に事業会社の事業投資マネジメントシステムの一例を示します。

 

  1.事業投資の基本方針

   ・当社は将来の成長に資する事業投資を積極的に推進する

   ・事業投資にはリスクがつきもので、これが顕在化すると業績や財政に大きな影響が出るので、個々の

    案件の実施可否判断を慎重に行うのは当然であるが、会社のリスクヘッジとして「投資枠の設定」を行

       い、投資額にキャップをはめる

  2.投資案件全体管理

   ・「年度投資枠と累計投資枠の設定」により、年度の事業投資に上限を設定する

   ・四半期ごとに投資案件の全体状況のモニタリング結果を取締役会に報告する

   ・そこでは、全社の投資実施済合計額の水準を確認するとともに、個々の投資案件の事業計画・回収計画の

    進捗状況と施策内容をチェックし、今後の方向性(継続か撤退か)について討議する 

  3.投資案件個別管理

   ・初期投資や追加投資の可否判断を厳格に行う

   ・投資の当事者自らが以下のPDCAの管理のサイクルを回す

投資計画の作成・提案(P)

投資の実施(D)

↓ 

四半期毎に事業計画の進捗をチェックし、回収時期に遅れが出そうか確認 (C)  

↓      

遅れを取り戻す施策を立案・実施(A)

       ・この内容をモニタリング報告として事務局に上げる

 

上場企業の場合、事業投資の減損損失計上による株価下落で損失を被った株主が代表訴訟を提起する場合に備え、取締役の善管注意義務違反を回避することが必要になります。そのため、投資案件の初期投資、追加投資、撤退等全てのフェーズで意思決定の明確化(収集すべき情報を収集し、合理的な意思決定プロセスがあったのか〔経営判断原則〕)を心掛けなければなりません。

ACSでは、この点も十分に踏まえ、お客様企業の事業投資マネジメントシステムの構築をサポートさせていただきます。
 
以 上
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