新着情報 NEWS

2017年12月1日

『システムインテグレーター業界の2017年度2Q業績の分析』について

~ACS便りNo.22 

   〈  ライトアップした氷川丸  〉

いつも大変お世話になっております。株式会社ACSの淡路です。
『ACS便りNo.22(2017/12/1)』を送付します。

 

今回のテーマは、「システムインテグレーター業界の2017年度2Q業績の分析について」です。
システムインテグレーター業界(以下SI業界)は私の前職であり、ACSの経営コンサルの対象業種でもあるため、これまでに「業界の今後の展望」や「各社の業績」についてセミナーやメルマガで情報発信をしてきました。
今回のメルマガでは、その活動の一環として、業界各社の2Q決算発表を受けて、私なりに行った業績の分析結果を記します。
なお、同一テーマのプレゼン資料をホームページに掲載しております。(http://acs523.co.jp/news/news_163/
ので、それを見ながらこのメルマガをご一読願います。

□ □ □ □

1.業績分析(資料P2~P13)
 1)前年同期比較
    ① 全上場企業の業績との比較
   ◎この業界の2Q業績は、全上場企業の2Q決算実績(売上高8.8%増、経常利益24.0%増、最終損益

    23.4%増)に比べると、売上高・利益ともに弱含みで推  
        ◎働き方改革に係る生産性向上や技術革新に関するSIerのビジネスは始まったばかりで、2Qではまだ

    業績貢献するレベルまで育っていない

      ② 各社の状況
   ◎売上高
    ・大手7社、中堅7社は全て増収。2桁の増収はNTTデータ(デルサービス部門譲受による売上増)

      NSSOL、富士ソフト、クレスコの4社
        ◎営業利益
         ・大手ではNTTデータ、NRI、CTC、TISが2桁の増益。SCSKだけが事業投資費用の増加と金融向け                     大型案件の立上りの遅れ等により減益。  
         ・中堅はクレスコとNSDが2桁の増益。CECとSRAHDが横ばい。ISIDとCACHDが減益
        ◎四半期純利益   
         ・NRI、CTC、TIS、NSD、クレスコは本業が好調で増益。SCSKは本業が振るわず減益。NTTデータ

                     はデルサービス部門の買収に伴う関係会社再編損の計上により2桁の減益
        ◎EPS
          ・100円台はNRI、SCSK、TIS、DTS、クレスコの5社 

   2)業績予想値進捗率比較
   ※本年度2Q実績の通期業績予想に対する進捗率を前年度2Q実績の通期実績に対する進捗率と比較
  ①各社の状況
   ◎売上高
    ・大手は概して本年度の進捗が前年同期を上回っている。特に進捗が良いのはNTTデータと富士

           ソフト
    ・中堅は7社中5社が前年より進捗率が高い
   ◎営業利益
    ・大手は7社中5社が前年同期を上回っており、特にTISの進捗率が高いが、SCSKの進捗は

           大幅に遅れている  
    ・中堅は7社中3社が前年同期を上回っており、特にクレスコの進捗率が大きく上回り、CACHD

            (12月決算)の進捗は大きく遅れていて3Q決算で下方修正
   ◎四半期純利益   
    ・大手はトップ3が全て前年同期より進捗遅れ。特にTISの進捗は良く、SCSKは大きく遅れて

            いる
    ・中堅は7社全てが前年同期より進捗が良い 

  ②業績予想修正
     ◎SCSKは、株式会社クオカードの株式譲渡による特別利益の計上で通期の当期純利益を上方修正。
        下期以降は金融業向け大型案件の立ち上がりも含めて期初想定以上の進捗が予想されるため、通期の

            売上高、営業利益、経常利益の予想は据置 ➡2Qの進捗状況を考慮し、チェックが必要
   ◎NSDは売上高、利益ともに2Q業績予想値を上回ったため通期業績予想を小幅ながら上方修正
  
2.株価分析(資料P14~P18)
 1)株価・パフォーマンスの比較
  ①2Q決算発表後の株価水準(10/23~11/30) 
    ※括弧内の矢印は株価のトレンド
   ◎6,000円台:NTTデータ(→)  ※7/1の1:5の株式分割前の株価に換算
   ◎4,000円台~5,000円台:NRI(↗)、SCSK(↗)、クレスコ(↗↗)
   ◎4,000円台:CTC(→)
   ◎3,000円台~4,000円台:DTS(↗)
   ◎3,000円台:TIS(↗)、富士ソフト(→)、SRAHD(→)
   ◎2,000円台:NSSOL(→)、ISID(↘)、CEC(→)、NSD(→)
   ◎1,000円台:CACHD(→)

  ②パフォーマンスの推移(10/23~11/30)
   ※10/23の株価を100として指数を算出
   ◎ 日経平均株価より大きくオーバーパフォームしているのはNRI、クレスコ、DTS、NSD
   ◎日経平均株価より大きくアンダーパフォームしているのはNTTデータ、ISID、CACHD

 2)株価指標(PERとPBR)の比較(11/30)
   ◎PER
    ・日経平均株価の採用銘柄のPER15.3倍より低く割安なのは、SCSKの1社
    ・2017年度1Q決算発表後の8/25でPERが15倍以下だったのは、NSSOL、DTS、SRAHDの3社

     だったのでPERは全体的に上昇
           ◎PBR
               ・1倍割れはCACHDの1社    

3.株主還元(資料P19~P20)
 1)中間配当の実施状況
   ◎NSD以外の13社は全て中間配当を実施
 2)年間配当予想
   ◎100円超はSRAHDの1社だけ 

□ □ □ □
 
🔶ACS便りは毎月1日(1日が休日の場合は前営業日)に配信します。
 内容についてご意見があれば遠慮なくご連絡願います。 
🔶メルマガの配信停止をご希望の方は、お手数ですがその旨のご返信をお願いいたします。
 
                                                                                以 上
新着情報一覧