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2017年9月1日

IT業界の今後の展望

“どうなる!?システムインテグレーター業界(4)”~ACS便りNo.19 

 
 〈宮島 厳島神社〉
大変お世話になっております。

株式会社ACSの淡路です。

ACS便りNo.192017/9/1)』を送付します。

また、8月30日に某機関投資家の社内セミナーで、『IT業界の今後の展望 “どうなる!?システムインテグレーター業界)』の講師を務めました。これは、同名のタイトルで以前ホームページに資料掲載したもの(今回までのACS便りで説明するもの)に、2017年度1Q決算の分析を加えたものです。
その資料を昨日公開しましたのでよろしければご一読願います。
http://acs523.co.jp/news/news_149

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7月6日に『システムインテグレーター業界(以下SI業界)の今後の展望』というテーマでセミナーを行い、その内容を3回にわたってACS便りで説明してきました。
今回は、今後の課題と展望として、『技術革新への対応』と『働き方改革への対応』についてセミナーで話した内容を記載します。
下記の資料をご参照しながらご一読をお願いいたします。
【掲載資料】http://acs523.co.jp/news/news_124/

 

1.技術革新への対応(資料P31~P33)
   ①技術革新とは?
  ☒定義
   第4次産業革命で活用される新たな技術のことで、IoT、ビッグデータ、AI、ロボット、フィンテック、自動運転等のことを

   いうが、それらによって生まれる新サービスがほぼ全てセキュリティのしっかりしたクラウドで提供されることが想定される

   ため、技術革新にはクラウド、セキュリティも含めて捉えることにする

 ②技術革新に関する国の方針は?

  ☒ 6/9に閣議決定された、成長戦略の骨子の「未来投資戦略2017 Society (ソサエティー)5.0」の実現
        ■Society(ソサエティー)5.0とは、ITを社会全体が高度利用することにより、新しい価値やサービスが次々と創出され、

    社会の主たる人々に豊かさをもたらしていく社会のこと
     ■2015年のアベノミクス第2ステージ以降に提唱されたロボットやAIを駆使した「第4次産業革命」の推進を、医療分野や

    交通分野などあらゆる産業および生活分野に拡大してゆくことを主な政策目標にしている

 ③SIerの技術革新に対する動き
  ☒「技術革新はビジネスチャンス」という認識はSI業界で共通しているが、取組みは始まったばかりで、業績に貢献できる

               レベルにはいたっていない
  ☒SIer各社の動き
   ■ I o T 
   ・パナソニックインフォーメーションシステムズはIoTに対応したシステムを割安に早く構築できるサービスを米ソフト

    大手のレッドハットと組んで提供(2017年3月) 
   ・NTTデータは工場や物流拠点の現場作業を支援するため、眼鏡型のウェアラブル端末、スマートグラスを使用するシス

    テムを発売(2017年1月) 
   ・SRAHDはスマートグラス等のウェアラブルデバイスを用いた「点検作業の確認システム」の取り組みを開始(2017年

    3月) 
   ・日本ユニシスがIoT分野等のスタートアップ企業に出資するベンチャーキャピタル事業に参入する(2017年6月) 

      ■AI 

   ・CTCはAI開発ベンチャー(グリッド)と提携し、AI事業に本格参入する。AI関連のシステムを共同開発する他、

    AIに詳しい人材を育成。製造業やエネルギー関連企業を中心にAIを活用したデータ分析サービスも提供 (2017年1月) 

   ・ISIDはソニーCSL(ソニーコンピューターサイエンス研究所)と、新しいAI技術を使ったデータ解析サービス

     (工場の故障予測やマーケティング等に活用)を開始。ソニーCSLがAIの開発を担当。ISIDは企業向けにAIを

                 使ったシステムを構築(2017年5月) 

   ・NTTデータは、金融機関の顧客からの質問に自動応答する、チャットやAIを活用したサービスを開発し、10の地銀

                 向けに試験サービスを始める(2017年5月)

    ■フィンテック 
      ・NTTデータは今秋にフィンテック事業を手掛ける企業と国内の銀行を仲介するクラウドサービスを開始(2017年5月)

 ④SIerの技術革新への対応に関する今後の方向性
  ☒技術革新の主役は、富士通、NEC、日立製作所、日本IBM等の大手ITベンダー
  ☒ SIerは自社の強み(例えばNSSOLやCECの製造業のシステム構築で習得したノウハウ)を生かせる技術革新の分野

    を明確にし、その分野の技術先進企業(VBを含む)とアライアンスを組んでビジネスを推進することが必要
  ☒技術革新を担う技術者の不足が大きな問題になることは確実。SIerであっても、上記の方向性でビジネスを推進するには、

   IoTやAI等の技術者の確保・育成が必須

 

2.働き方改革への対応(資料P34~P37)
 ①SIerにとって「働き方改革」の必要性
  ☒ 自社の社員の定着と優秀な人材の確保
   ■SI業界のSE職は、「きつい」、「帰れない」、「給料が安い」の新3K。学生の就職先としては人気のない職種
      ⇒「健康経営」のSCSKはリクルートで最も人気の高いSIer 
   ■SEは人材の流動化が盛んな職種
     ⇒ 優秀な技術者やコストをかけて育成した若手技術者が同業へ転職することは多い 
   ■人手不足に対し、他業種と違ってシニアの活用が難しい(技術のトレンドが早いスピードで変わる)
                                            ⇓
        社員の定着と優秀な人材の確保を目的とした「働き方改革」に積極的かどうかは、SIerが今後成長するためのポイント 
  ☒顧客の「生産性向上」をITで支援するビジネスチャンス
   ■働き方改革は生産性向上の成果で実現すべきもの。 生産性向上のシステム開発はSIerがこれまで受託開発の中で扱ってきた

    テーマで経験や実績がある
   ■長年取引してきた顧客の業務知識が豊富なので、生産性向上のシステム提案がしやすい

 ②SIer社内の働き方改革の取り組み 
  ☒健康経営を進めたSCSKは意識改革と生産性向上の改善を実施。残業を削減して浮いた人件費を社員に支給して業績向上を

   継続し、注目されている(もともと合併した企業間の社内融和が狙いでこの活動を始めた。経営トップは、業績悪化を覚悟し

   て取り組んだ)「健康わくわくマイレージ」制度を運用 
  ☒SCSK以外のSI業界各社は取り組みを開始ないし今後着手するといった段階。ただ、人手不足が騒ぎになっている運送や

   外食と同様、「働き方改革」は喫緊の課題

 ③顧客の「生産性向上」をITで支援する動き
  ☒各社の動向
      ■アマダは中小企業向け就業管理ソフトで最高益を3期連続更新 
        ■NRIは業務効率化目的のシステム開発の引き合いが強い
        ■SCSKは業務用の情報システム(経費申請や勤怠管理等のシステム)の開発を半減するソフトウェアを発売 
        ■会計・財務等を包括的に管理する統合基幹業務システム(ERP)の需要拡大
        ☒ 「働き方改革」のフェーズ に応じたSIer のサポート

     ■顧客は社員や職場の意識改革や小粒な身の回りの改善を実施しているのが今のフェーズ (生産性 向上の目標レベルは3%

      程度)であり、SIerはこれに対応する動きを始めたばかり 

      ・残業目標時間の徹底遵守そのための時間管理の強化 

      ・計画的な業務遂行、会議時間の削減 

         ■今後始まる生産性を本格的に向上(目標レベルは30%アップ)するフェーズはITでしか実現できない

      ・カスタマイズを極力しないERPに仕事のやり方を合わせる(欧米流のやり方)
      ・本業の基幹システムを社員全員に持たせるモバイルで運用
            ・業務プロセスのムダを排除してIT化  

 ④顧客の「働き方改革」をビジネスにできるSIer
  ☒ 「働き方改革(生産性の向上)」のコンサルとIT化をセットで売り込めるSIer (NRI、SCSK等)   
  ☒顧客の業務効率化を目的としたシステム構築の経験・ノウハウが豊富なSIer 
  ☒ERPでのシステム構築が可能なSIer 
  ☒以上のIT化をクラウド上で実現できるSIer                         

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 ◇これまで「ACS便り」をお読みいただき、誠にありがとうございます。
 ◇ACSは今後、Webマーケティングに注力し、集客の拡大と商談の成約率の向上を図るため、LP(ランディングページ)
     の作成にリソースを集中することにしました。(LPはホームページの新着情報で閲覧できるようにする予定です。)
  そのため、「ACS便り」は、今月から、毎月1日の配信1回にさせていただき、ホットなビジネステーマに関するACSの
     コンサル内容等を紹介させていただきます。「ホームページの分析結果」の公開も中止しますのでご承知おき願います。
 ◇これまで同様今後とも、ACSをよろしくお願いいたします。

                                                                                     以 上

 

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